いよいよUTMFに向けて出発の日を迎えました。
今年は目標としていたUTMB、UTMFの一次抽選に落ち、
中々メインレースが決まらずに悶々とした日を過ごしていましたが、
なんとか二次抽選でUTMFに行くことが決まったもののそれが2月中旬。
練習はそれなりにこなしていたものの、
さあ追い込みをかけようと思っていた矢先に肉離れになり、
満足に走れずにこの日を迎えました。
思えば4年前STYに出場した時は憧れだった100マイルの舞台。
今回は富士山を思い存分楽しんで、完走を目指す目標に切り替えました。
ただ天気予報では土曜日からすごく冷え込むとのこと!
河口湖の週間天気予報では金曜日の最高気温は22度、土曜日は最高気温12度、最低気温はなんと-1度!気温差が23度もあるのでウェアリングに迷います。
幸い冬場の練習会で似た環境で走っていたので、その経験をもとにレイヤリングを決めました。
こういう経験値は実際に試してみないとわからないので、練習会をやってきてよかったです。
補給に関しては昨年、一昨年と100キロ超えの大会に出た経験から、
私はあまりジェルは合わないのがわかっているので、噛んで食べれるものを多めにチョイスしました。
肝心の眠気覚まし対策は、前回同様2週間前からのカフェイン断ち。
眠くなったらカフェインの錠剤とエナジードリンクで対応。
TDSの時はうまく行ったけれど今回は40時間前後なので、正直自信がないけど眠くなったら寝ればいいやくらいの気持ちです。
あっ、あとするめも用意しました(^_^;)
全部見るのね!ある意味UTMBより厳しい荷物検査
今回は九州と関西からの知り合いのメンバーで特設チーム山ねこやを結成。
一緒に宿をとってレース期間中行動を共にします。
25日それぞれ現地に集まり受付に行ったのが17時ころ。
そろそろ薄暗くなりかけることでした。
UTMFの荷物検査は厳しく全ての必携装備品をトレイに出し、1つずつチェックを受けます。
それだけ厳しいレースということなのでしょう。
明日に備えほうとうを食べて早めに就寝しました。
天気予報が外れスタートはまたしても雨から
UTMFのスタートは富士山こどもの国を12時。
これまでスタートと言えば早朝が当たり前だったけれど、
ゆったりとした気分で宿のある河口湖をレンタカーで出発しました。
曇り空の中進んでいくと「あれ?雨??」
今日は降らない予報なんだけど、通り雨かな?って思っていたのに、次第に本格的な雨に。
そのうち止むでしょ!くらいの軽い気持ちで車で待機。
しかし待っても止む気配がないのとドロップバックを預ける時間が迫ってきたので、
諦めてレインウェアを着込みスタート会場に。
しかしここから天気予報は全て外れるというとんでもない展開が待っていようとは。
結局雨の中スタート。
途中知り合いのランナーを見つけ互いの検討を讃えあったりとちょっと余裕。
だって、気になっていたふくらはぎの肉離れ箇所が全く痛くないだもの。
こんなに治っていたとは!
治療してくれた下地さん、AATHを貸してくれたれおじさんに感謝です。
林道に入り自分のペースもつかめてきたので無理せずに進みました。
だって、これは100マイルレースなのだ!
こんな所で焦ってもしょうがない。
勝負は明日の夕方の山中湖きららからと決めて、心拍を上げないようにペースを心がけました。
WS粟倉に到着。
水だけ補給してすぐにリスタート。
A1富士宮までは送電線の下を走る有名なコースらしいですが、
気持ちよく走ること無くここで最初の渋滞にハマる。
それでも周囲のランナーとしばし談笑したりして結構面白い。
こういうのもロングトレイルの楽しみの一つだ。
A1富士宮に到着。
水を補給し2、3口フードを食べて再スタート。
この後断続的な腹痛に見舞われ、惨憺たる結果に( ;´Д`)
これには参ったがそのうち治るだろうと気持ちを切り替え前へ進みました。
やっと天子山地の登山口にたどり着き本格的な山岳エリアが始まりました。
ここはエイド区間最長のエリア。
計算では9時間20分ほどかかる予定(実際は6時間40分ほどでした)だったのに、
水の用意が充分ではなくギリギリでした。
天気が良かったら完全アウトでしたね。
ピークまでは約800m程の登り。
心拍を上げないように心がけで進みます。
ピークに辿り着くと長者ヶ岳、熊森山へと続くアップタウンがさらに続きます。
長者ケ原でヘッドライト点灯の指示があり、
ヘッデンを点灯するとガスに反射して真っ白。
角度を変えたり照度を弱くしたりして目が慣れるまで苦労しました。
練習のときってあえてこういうときやっておくと、
対処方法を学べるので安全確保を第一に今後はやっていかなくっちゃ。
そこから熊森山からの下りが酷くぬかるんでいて相当に脚にこたえてしまう。
渋滞がひどくトレイルを外れて下る人たちも出て、さらに渋滞を悪化させる結果に。
長い長い下りをやっとこさ終え、
誘導のボランティアの方の声を聞いたとき、ホッとしました。
滑らないって素晴らしい!
大嫌いなロードがこのときばかりは大好きになりました!
脚を残そうと気をつけていたつもりだったけれど、
時間も随分ロスしてしまったので下りは頑張って走りました。
エイドに長居してはダメよ
長い下りを終えてA2麓に到着。
給水と補給などを済ませてサポートに連絡すると、
一緒に参加しているMCZさんがケガをしたと聞かされる。
どうやら僕と10分ほどの差らしいので待って会えれば、
痛み止めやテーピングなど処置をしてほしいと連絡を受けたので、
着る予定はなかったけれど後で時間を使うくらいなら今着ておこうと、
ベースレイヤーの上にオンヨネメリノPPを着込んで準備万端。
それからこの辺りから小さな魔法瓶にお湯をもらい、
水ではなくお湯を飲むように心がけました。
結局MCZさんとは会えずじまいで救護室で正露丸を貰って出発しました。
しかし走り出してすぐに暑くなり結局1枚脱ぐことに。
こういう小さな時間の積み重ねが後々響くから、
ロングトレイルはエイドでの過ごし方や判断が重要になってくるんですよね〜。
決して焦ることはないんですけど、
走って10分取り戻すことは困難だけれど、
エイドでの10分短縮は割と簡単なので大事なことでもあるんですよね。
東海自然歩道から端足峠へ上がり竜ヶ岳へ。
ここも熊森山同様、渋滞が発生しかなり時間がかかってしまいました。
疲れた脚にはズルズルの下りで踏ん張りが利かず何度も転倒。
下り終えたときにはホッとした。
やっぱり滑らないって素晴らしいです(^_^;)
A3本栖湖に到着
身体が冷えてきてたので温かいスープが嬉しい。温かい食べ物って本当に元気になります。
湯葉丼も美味しくいただきました。
まだしっかり食べれているので体は元気なようです。
ボランティアのボランティアとして?石川弘樹さんもいらっしゃってちょっと華やかな感じの本栖湖でした。
この地点で66キロ。
まだまだ先は長いので心拍を上げないよう心掛けて、
次のA4精進湖民宿村を目指します。
パノラマ台ではボランティアの方に、
本当はここできれいな富士山が見えるんだけどねぇ〜と聞かされちょっと残念。
パノラマ台から気持ちよく下りA4精進湖民宿村に到着。
ゲート入り口で取引先のOKIさんがいてびっくり!
握手して分かれる。
ほんの些細なことだけれど人とのふれあいがとても嬉しくて、パワーの源になるのだと実感します。
OKIさんありがとうございました!
ドロップバックを受け取り休憩所の体育館のようなところに行くと、
疲れたランナーでいっぱいだったけど、何とか場所を確保して着替えることが出来ました。
新しいウェアが気持ちいい。
面倒でも全て着替えた方が疲れが取れるように思います。
ドロップバックの使い方次第で気持ちにも余裕を作れると思うので、
次回はさらに自分が好きなものを入れようと思います。
何を入れるかの判断は減らすことを考えるのではなく迷ったら入れておけ!
使うか使わないかは現地で判断すればいいからね。
逆に補給食はそんなに食べないので持ちすぎてしまいました(^_^;)
もう少し減らしてもいいかな?
カロリーで計算するとこうなっちゃうんですよね〜
また練習で消費しなくっちゃ。
精進湖民宿村を出るとひたすら長い長い上り坂のロードが続きます。
練習などでは嫌いなロードだけれど、ここでしか時間を詰めることができないと考えたので、歩かずに頑張って走りました。それにしてもこの区間はロードが長く、バラエティに富んだ区間でした。
富士急ハイランドを横目に見たり、コンビニがあったり、神社を横切ったりして面白かったです。
その神社、後で知ったのですが北口本宮冨士浅間神社という有名な神社のようで、
レース後友人のNRIちゃんが御朱印を貰うというのでついていって、
ついでにお参りさせてもらいました。
それにしてもこのコースよくつないだものだと感心です!
A5勝山到着。
ここで初めてサポートと合流してホッとしました。
いつものルーティンをこなし、サポートエリアでサポートを受けます。
これいる?コーラ飲まない?って、じゃ、折角だからとちょっと飲み過ぎ食べ過ぎに。
まぁ、走っていればすぐに消化するだろうと気にせずに出発。
ところがだ、一気に血糖値が上がったせいか、鳥居地までの上りから急激な眠気に襲われフラフラしながら上る羽目に。
おまけに雨も降り出し全然ペースが上がらない。
もう、何をやっても眠くて仕方がないのでこうなったらあれだと、秘密兵器に取っていたモンスターを注入。本当は今夜ヤバくなったら使うつもりだったけれど、レインを着込むついでに注入。
するとさっきまでの眠気がウソのように消えてしまった。
それにしてもこのロング缶多すぎじゃないですかね?
大量の糖質とカフェインを摂取するので、切れたらまた余計に眠くなるんだろうけど、
そんなことこの際どうでもよく、とにかく睡魔さえ消えてくれればとの気持ちのみ。
このときで26時間ほど連続して動き続けているからそりゃ、眠いわさ!
人間、眠いときは何をやっても眠いもんです。
そこからは元気よく進み頂上へ。
ちょうどその頃大会事務局よりSMSで雷注意報が発令された連絡が入る。
誘導のボランティアの方に現在の天気予報はどうなっているのかという意味で、
この雨はいつまで続くんですか?と聞いたつもりだったのに、
返ってきた言葉は、スタートしてずっと予報が外れ続けているので、わかりません!とのこと(^_^;)
そりゃあそうだわな!
もう、誰にもわからんわ!!
A6忍野エイド到着
着いた頃にはかなり気温が下がり、立ち止ると体が震えだすほど。
とりあえず休憩所へと進む。
館内は暖房がきいているせいかランナー達が暖を取ったり、
床で寝ていたりとごった返していたが、何とか場所を確保してルーティンをこなす。
これから夜を迎えさらに寒くなることが予想されたので、
メリノウールのミッドレイヤーを着込み先へ進もうと外へ出てみたが、
あまりの寒さで考え直しました。
多分自分が持っている装備じゃ夜は越せないなと考え、
今どうなっているのか確かめるために大会運営の方に、
先程のSMSの件について本部より指示はないか聞いてみましたが今の所まだ何もないとの答え。
先に進んでも構わないが、指示があった場合は速やかに従うように言われ、
どうするか考えるため一旦休憩所に戻ったところ、
Facebook上に杓子山の積雪の様子がアップされているのを見つけ、
コース短縮か中止ではないかとの雰囲気が漂い始めました。
もう少し待って判断しようと待っていると、
忍野に到着したランナーや杓子山からリタイアしたランナーたちが送迎のバス待ちでごった返し始めました。そしてとうとう中止の連絡が発表され今年のUTMFが終了してしまいました。
山中湖までは抑えて来たので、そろそろ歯食いしばってやったるぜ!と思っていた矢先の中止だったので、あれれ?って感じですが、あのまま進めば低体温症になるなど危険な状況になっていたと思います。
でも、久しぶりの大会で面白かったし、ケガも治って思った以上に走れたので充分に楽しめましたよ。
帰りがけ車から見た二十曲峠の風景です。
こりゃ~アイゼンがいるわ!
来年に向けて山行も含めて、練習を楽しく積んで100マイラーを目指そうと思います。
翌日はお約束の快晴の中閉会式に行ってきました。
また、来年みんなで完走して美味しいお酒を飲みましょうね!
おまけ
そうそう、レース中止の晩、みんなで打ち上げしようってことで、
MTGさんが選んだお店に行くと優勝したグザビエ選手がいらっしゃいました。
これはご褒美ですね(^^)